★2002年10月 法定後見人に
事件申立から2ヶ月後の10月18日に審判が確定し、ここからが法的な成年後見活動になります。同封で財産目録の作成依頼と成年後見人の職務や事務遂行上の留意事項が届きます。そして18日から本格稼動です、この日から事務開始に必要な帳簿や通帳を正式に入手できます。
銀行等からも正式書類が入手できますので、不足していた資料を集め、財産目録と収支表を確定させ、1ヵ月後の11月18日に正式なものとして提出しました。この時に提出した財産目録が以降、監督センターとのすり合せに必要なベース資料になります。
実は被後見人は取締役就任の欠格条件に当たります。従って代表者の変更が必要で、株主総会の開催・決議、役員改選、代表取締役の変更登記を成年後見人の登記前に行いました。とてもタイトな日程になり、大童で書類・印鑑を持って回り何とか間に合いました。
次は金融機関回りです。登記事項証明書の入手、審判謄本、私の住民票、印鑑証明、本人確認用に運転免許証、私の実印と通帳類をもち、銀行4店、証券会社1店が対象です。各社の手続きは異なり、借入金のある銀行での変更手続きは2法人も含め2日がかりなりました。
銀行の担当の方も成年後見人の手続きなど初めての方が多く、マニュアル片手に不明なことは本部に問い合わせしながら行いましたので、結果としてすべてが完了したのは3日半が必要でした。各行で通帳は新規発行され表記は被後見人●●●子 法定成年後見人吉野充巨と変わりませんが、法定後見人の取引について内規が違い戸惑いました。
例えば、A銀行はキャッシュカードは不可、インターネット取引はOK、預金の引き出しは預け入れ支店で、実印を押印して行う、外貨預金や投資信託の購入は可能です。この銀行には被後見人がドル預金をしていましたので、為替リスクを抑制するためユーロ預金口座を作り、ドルとユーロを同額で毎月積立を行いました。
B銀行は、預け入れ支店のATMのみ取引できる代理人カードが発行され、インターネット取引は不可でした。なお、投資信託の購入は可能でした。本来リスク商品を扱うC証券は、売却のみ可能で、株式、投資信託ともに購入は不可でした。
★マンションの管理他の事務
マンションの賃貸に関しては、専任媒介、管理業務を一任していた不動産会社と打合せしながらお客様の目線で改善を図りました。叔母の倒れた前年に完成したマンションは、当初エレベーター前に1台のカメラだけでしたが、セキュリティー強化のため、セコムに依頼し、マンションの出入り可能な場所にカメラを8台設置しました。特に郵便ボックススペースには全体を写せるような位置からカメラを設置しています。また、営繕計画が無かったので、建設会社の方と計ろうとしましたが、計画サンプルもないとの事で、本による自己学習しながら計画書を作成しました。ただ、私の退職も間近でしたので、どうせなら不動産を知ろうと考え翌17年宅建主任者にチャレンジし、平成18年に東京都に登録しています。
また、賃貸マンションではエントランスや廊下など共用部分はピカピカに磨き上げると良いとの不動産会社の社長からのアドバイスを受け、お手伝いさんが辞めたのを切っ掛けとして昼間管理人を置いています。
そのほか、樹木の手入れも造園会社に依頼し玄関脇の樹木を入れ替えたり、プランターの花を定期的に取り替えています。おかげで、法定後見人の期間は98%の稼働率、現在でも95%以上を保っています。
本人の身体に関しては、近くに住む叔母のすぐ上の姉に毎日病院に通ってもらえたので、病院の手厚い看護も有り、月に2度の現金支払、高額療養費請求、介護認定の申請と介護方針の打合せと申請書類作成で済みました。そして病院の看護関係者の皆さんに季節毎に感謝をこめて挨拶をしています。
そのほかは日々のルーティン業務です。最重要は居宅の管理です、週に1度の風通し、花と鉢植えの手入れ、仏壇、神棚の祭祀など居宅に関するこれら事務と郵便物の処理を毎週土曜日に行いました。被後見人についていたお手伝いさんが1月に辞めてからは、2ヶ月に一度ハウスクリーニング会社に依頼して大掃除を行っていました。
また、仏事・神事も後見人として金銭を管理しているため事務として行っています。毎月の先祖供養(住職が来宅します)やお墓参り、身延山等の永代供養料、明治神宮ほか伊勢、橿原、そして氏神様への寄附や祭礼の寄附なども被後見人が行っていたことは全て継続しています。
郵便物の処理と付随する金銭管理があります。法人と個人への請求書が届く都度、必要であれば代表者名変更の依頼と支払手続きをします。個人の税金支払は厄介でした。カードで現金を出し郵便局で支払う形で行いましたが、納付忘れが無い様すべて全納しています。丁度年度初めに倒れましたので、ゴルフ会員費などの支払が不明で、結果1箇所は未納を起こし翌年前年分とあわせ支払をしました。そして、何時現金がいるかわからぬ為手元現金をかなりな額おいていました。
本人に届いた時候の挨拶や年賀状には、本人入院のための断り書きを入れて返信しました。
後見人の事務としてのすべての領収書と重要書類は保存することに加え、親族とのトラブルを予防するため、弁護士さんのアドバイスに従い、エビデンスとして資産管理概況報告書を毎月作成し、推定相続人4人、弁護士、税理士の6名に郵送しました。これは、2法人の収入から本人への金銭の流れ、そして本人の月度の収入・支出を項目・数値の表と、実施活動を日時に従い記載し、そして月末の現預金、投資信託、株式と負債の残高を記入したA4版2枚のレポートです。
年度の終りには、確定申告が待っています。これは顧問税理士の処理に任せたので、私は楽でしたが、日々の入出金管理は必要ですので、私が以前から出納帳として使用しているMSNマネーで管理しました。おかげで自宅と2法人、被後見人の日々の残高などは推移を含め何時でも提出できる仕組みが出来上がりました。
★報告書の提出
翌年10月に後見人監督センターから報告を求められ、後見事務報告書、管理資産の目録と推移について毎月の資産管理概況を添付して報告しました。その際に前年提出した財産目録に間違いがあり、その部分との差額について監督人の納得を得るのに電話のやり取りを行いましたが長時間費やしました。
後見人監督センターに提出のため訪問した機会に、後見人事務に関する報酬と本人宅の賃貸、そして相続対策としての2法人の処理などを監督人に尋ねました。報酬に関しては、その場で審判申立書を記入して提出しました。本人宅の賃貸は、被後見人が退院後戻る場所がなくなりますので、収入がないなど特殊な事情が無い場合を除き不可との回答でした。相続に関する対応も、資産は被後見人のために費消するのが本来の姿であり、相続人を考慮する必要はないなど、後見人の役割について親切に教えて頂きました。
その後、報酬に関する審判を得て被後見人の資産から私に報酬を支払い、後見事務報告書で質問した内容の回答をつけて、資産管理概況送付先の6名に内容を通知しました。従って翌年も法定成年後見人事務を継続しています。
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