全保有資産による分散投資を考える
前回は、インフレ率やCPIなどの経済指数と商品に関る各種指数の特徴や推移をご紹介し、それらから見る世界的な年間上昇率を試算しました。また、金や原油の価格などは、価格推移で必ずしも上昇ばかりでないことも取り上げています。
この後に、良いタイミングで、東京証券所に金などの現物担保型の貴金属を対象とするETFが5本上場されましたので、良い機会ですので今回はトータルの資産額と商品などを含む分散投資を考察いたしました。
私は、オールアバウトでも投資・運用のご相談には、現預金、国内債券、国内株式、外国債券、外国株式の5資産でのリスク・リターンとアセットアロケーションを用いて、お答えをしています。
ただ、新しい仕組み・システムの導入により、上場投資信託が開発され、その後、不動産を対象とした上場投信=REIT、そして商品の現物や商品指数を対象とするもの、為替の変動を対象とするものなどが開発・上場されています。これらを考慮しますと、全て分散投資の対象とすることが良いように思えますが、私は、ライフプランとしての資産運用はオーソドックスな5資産でのアセットアロケーション方針とポートフォリオの構築を主流とすることをお勧めします。
ライフプランにおける資源としての資産は別添のような資産構成になります。また、ご自身の人的資本も資産の内数としてお考えください。その額を金額に置き換える数式は
トータル保有資産の額=@人的資本+A不動産(REIT含む)+B金融資産(現預金+株式+債券+投信+貯蓄性保険等)+C保険(貯蓄ではなく保障として)+D貴金属(ダイヤ+貴金属+宝飾品)−D負債(住宅ローン+クレジットローン+教育ローン等)
@人的資本は現在の収入だけでなく将来の収入を含むフローの資産に為ります。ライフプランの作成では収入として捉えられます。ただし、資産価値ですのでフローをDCF法で現在価値に置き換えると若い方(20代)はこの資産が2億円から3億円と見込まれています。
A不動産は居住用でも事業用でも現在では収益性で価額が評価されます。個人の7割以上が持ち家を所有されています。従いまして、不動産を保有している全体の7割の方が不動産を原資産としているREITを保有することは、資産の分散になりません。私は賃貸住宅に住んでいらっしゃる方にのみ、対象とするようお勧めしています。
B金融資産はオーソドックスな資産として分散をお勧めしています。この場合、確定拠出年金で選んだ商品も資産配分の内数として把握ください。Aで説明した方には不動産投信REITを分散投資の対象としてお勧めしています。
この場合、通常の5資産をコアポートフォリオとして、5〜10%程度をREITに配分することはベターなものと考えますが、金融商品としては値上がり益を目的とするものではなく、不動産収入から得る利益を配当するものですから、債券との類似性も多く、資産配分比率は債券と含めで検討されるようお勧めします。ただし、そのリスクは国債よりも大きく、その分”%以上のプレミアが必要です。
商品を対象とする投信もこの金融資産に入ります。前回の指数で見ましたとおり、価格の上昇は継続していますが、むしろ値動きに合わせて取引する商品と考えています。株式と違い商品はそのまま保有するだけでは付加価値はありません。また、従来は株価との相関がマイナスであったことに保有する意味がありましたが、株価との相関がプラスになりましたので、この点からも保有する必要性が減じています。ただ、長い期間で商品指数が上がっていますので<その点から5%程度の保有は考慮しても良いように考えています。
C保険はリスクへの保障として考えます。これは6月号と7月号で考え方を提示しています。資産額が多ければ必要性が小さなものと捉えてください。あえて言えば資産が増えていければその分削減するのが正しい姿です。また、人的資本に若しものことが有った際の保障ですから、人的資本が減少するにつれ保障額も小さくなります(定年退職で収入がなくなれば必要性がなくなります)。
D貴金属は正に最終の現金資産としてお考えください。金やダイヤモンドは保有していることで安心感が高まります。また、戦争などや、国家の破綻などがあれば現金として使用できます。資産として保有する場合には、それらを考慮した場合には日宇額の真正な貴金属宝飾品をお勧めします。
資産配分は5%ルールを提案しています。
図に示したように、投資対象が1つよりも2つというように数が増えればリスクは低下します。配分する資産クラスも不動産、株式、債券、商品・・・というように増えれば増えるほど良いのですが、20を超えると急激にリスクの減少率が落ちます。20と21の差は5%弱です。このため一つの管理点を20分の一、つまり5%としてご提示しています。
例えば、株式を5%の倍数、債券を5%の倍数というようにです。通常は5資産で考えますので、夫々が20%で均等配分になります。此処にREITを含めると、債券の比率を落とし、商品を加えれば、債券か株式から減じます。また、国や地域(通貨)を考えた場合には、夫々が国内と外国の2通りになり、また、先進国と新興国という区分も追加しています。結果として3番目の小間わりで資産の配分を考えています。


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